201808/28

セックスの最中のアタマの中は男と女ではどう違うのか

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男女の考えをお酒をのみながら考える

ベッドインした男女が、あれやこれやのセックスをしているうちに絶頂期を迎える。この一連の性行為の間、いったい女はどんな感覚の中にいるのか、男から見ると不思議な世界としか言いようがない。

あの意味不明の発声にしても、夢と現実の境を行き来しているような曖味な意識にしても、それを見聞きしつつ励む男の身には、覚えがないものばかりだ。もちろん女のほうも、男の性感に関しては知りようがないだろう。

でも、そんなことより自分の性感の追求のほうが大切という風情がアノ時の女の特徴だ。性行為は人間の(ヒトという種を保存するための)本能として、視床下部と呼ばれる間脳に中枢を設けていることは、当然のこと。しかしヒトは本能だけでセックスするわけでなく、好き嫌いや快感といった情感にもとづく行為と表現するほうが正しい。

性行為そのものを作動させる機能は、動物でも持っている視床下部だが、セックスしたいとか気持ちイイといった情感を担当するのはヒトの巨大な大脳なのだ。そんなことから、「セックスしている最中の男女の脳の中は、いったいどんな具合なのか」調べたのは、『絶頂の科学』などの著書もある日向野春総医師。

脳波を調べる電極をつけて、男女に性行為をしてもらった記録を発表している。それを見て皆がびっくりしたのは、行為の開始から絶頂期に至るまでの脳波パターンが男女でまったく異なること。

アノ時には男女ともに、まず脳波の周波数が少なくなって、安らいだ状態を示すα (アルファ)波が現れる。そしてオーガズムに至ると脳波は、さらに周波数の少ないθ (シータ)波となって「どこか目覚めているが、ほとんど失神状態」であること示す。

ここで興味ぶかいのは、女のオーガズムでは脳全体が〃シータ波状態〃を示して、完全にイッテしまつているのが見てとれること。これじゃ周囲どころかパートナーさえ目に入らずに狂乱するはずだ、と考えさせられる。

ところが男の場合は、シータ波が出ている脳の広がりといえば女のせいぜい十分の一の大きさ。残りの脳はいったい何を考えているんだ、とさえ疑いたくなるような不徹底さ。女が全身で感じている時でも、男はペニスだけで感じていることを、説明しているような脳波の分布状態なのである。

セックスに関しては昔から、「男は教わらなくても覚えるが、女は教わりながら覚えていく」ともいわれている。教わるということはすなわち大脳の機能だから、本能の働きだけではすまない。それだけ女のセックスの方が記憶や学習の効果が出やすい、奥深い行為ということになるのかもしれない。

ところが男のセックスは、あまりにも安易にオーガズムに至るため学習の余地が少ない、本能剥き出し型ということになるのだろうか。だからといって、さまざまな相手と″色々な学習〃をしなければいけない、といつた結論には当然いたらない。

「いちばん大切なセックスの器官は、左右の足の間にあるのではなくて、左右の耳の間にある」欧米にはこんな諺があると紹介しているのは、マスコミでは〃セックス博士″として名高い医学博士の大島清氏。「つまり、性器であろうと肛門であろうと、あるいは口でも肌でもどんな場所に性的刺激を受けようと、それを感じるのは″脳″だということである」(ごま書房『女の科学』より)。

昔のブルーフィルム(懐かしい言葉!)から始まって、いまのビデオやAVにおいても定番テーマのひとつに強姦モノがある。男が女に無理やり迫るのだが、なぜか時間とともに女の表情が歓喜に変わってくる。それを見て男は「なんだかんだ言っても身体は正直じやないか、ヒヒヒ……」と卑猥に笑う、というヤツだ。

が、実際にはこんな具合にストーリーが展開することはない。大脳が相手を拒否していれ

ば、どんな場所を刺激されても快感など感じようがないというわけ。性行為を行う動物種は多数あれど、絶頂感を得ることができるのはヒトだけ。ということは、本能部分で感じているのではなく、大脳で感じているのである。

したがって、大脳が相手を受け入れさえすれば、セックスに関してもさまざまな学習を行う。特に女の大脳は、前回紹介したように全脳を使ってオルガズムに至ることができるだけに、その感じ方もバラエティーに富む。

「女のイキ方は女の数だけある」という大島氏によれば、興奮曲線だけみても、ピーク一の富士山型、多重の波ができる連峰型、さらには高原の途中に巨峰が現れる型と、じつにさまざま。勃起して射精したらオシマイという男が、情けなく見えるほどだ。

それにしても人間、特に女がなぜ多彩なオルガズムを身につけるようになったのか。その疑間に関する大島氏の解釈も興味ぶかい。ヒトという動物の赤ん坊の最大特徴は、一人立ちするまで大変長い時間がかかるという点。動物の子なら生まれた途端に歩き出すのに、人間の子はほとんど未熟児状態で、親が長期間にわたって面倒をみなければならない。そうなると、女手ひとつで育てるというわけにいかず、男親の協力を求める必要がでてきた。

男を逃がさないための女の基本戦略としては、なんといっても色気がいちばん。アレコレと工夫しているうちに、女自身が多彩な感覚を身につけるようになった、と説明するのである。

では、男のほうの″性の学習″はどう発展したのだろう、との疑間が残る。だが肝心のオーガズムに関しては、射精という主目的から離れることができないせいか、女ほどのバリエーションに至らずじまい。

サルたちと最も異なる性行為といえば、なんと「サルの世界には見られない強姦を行う点にある」のだそうだ。なんとも情けない話だが、手錠をかけてまで性行為に及ぶセンセイさえいるのが現状だ。AVを見てペニスを鍛えるだけでなく、大脳で正しい性を考えることも大切というわけかな。

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