男の下半身は頭とは別の人格を持っている

モテル男性の性の思考。

男の下半身が別人格なら、女はどこでセックスするのかよく「男の下半身は頭とは別の人格を持っている」といわれる。

昼間はクソ真面目を絵に描いたような課長だが、夜アルコールが入ったとたん、見境なく女性を追い回す。アダ名が昼行灯でやっと生きている感じの係長だが、じつは夜な夜な複数の女性の部屋に通っている。

そんな具合に、その人の″社会的能力″とは別次元の性行動を起こす男性も珍しくない。もっとも最近では頭まで下半身化してしまったのか、ベツドインの最中に彼女にケイタイする若者が発生しているようだが……。

「要するに、どんな男でもオスである以上は本能的にヤリタイのです。こればかりはメスにはわからない」というのが古くからの解説(怪説)なのだが、科学的な根拠となりうる研究結果もちゃんとある。

男性の性欲は女性には理解できない。

たとえば、アメリカのコネチカット大学の研究室で脊髄を切断したラットの性行動を調べたことがある。脳と身体器官を結ぶ通信線である脊髄神経を切ることで、脳からの信号(脳で考えたこと)がペニスにまで行かないようにした。

するとラットの勃起回数はなんと十倍以上に増え、同時に勃起に必要な時間が二十分の一になった。つまり、脳によるコントロールから下半身を切り離して、文字どおり別人(別チン?)にしてやったら、より早くより頻繁に立つようになったという。

たかがネズミの実験というわけにはいかない。彼らの脳よリヒト脳のほうが、思考や感情を司る機能において数段優れている。それだけ「頭が勃起の邪魔」となる機会が多いのだから、無視できない研究成果といえる。

もちろん「見たり、嗅いだりした結果として立つ」こともあるように、男の脳には勃起を促す中枢も備わっている。が、脳の基本機能である感情や思考なしでもペニスは直立するのだという。

つまり男の下半身は常に、上半身の監視から逃れて暴走するチャンスを狙っているわけなのだ。

女性においても「下半身は別の人格」なのか

上半身によるコントロールが難しいほど、下半身の″性的独走力″は強いものなのだろうか。

たとえば男性と同様、脳からの情報が途切れると下半身が充血するといった観察報告はある。だが、それが性欲を支配するかどうかについては疑問符がつけられている。

女性の性欲は?

それよりも、解剖学的には神経分布の密度が低いヴァギナが性感の中心になることからわかるように、学習や記憶によって性的興奮を獲得すると考えられている。

つまり、性衝動の原因や性感覚の強弱に関して、脳が関与する度合いが男性よりずっと強いとされる。「下半身がだらしない」女のコも含めて、女性は脳でセックスしているわけだ。

これまで性機能の研究といえば男性の勃起メカニズムの研究であり、女性の性機能に関しては芳しい成果が上がっていない、と専門家はいう。下半身が立つか否かが大問題の男と、上半身が感じるか否かが最優先の女、その溝は簡単に埋まりそうもない?

女のブチギレ、オシヤベリ、正論好みはなぜなのか

「男は黙って××ビール」― ―このコピーは、まさにオトコの代表といった感じの故・三船敏郎の顔によく合って、さまざまなパロディを生むなど大流行をみた。

では、これに味をしめて「女は黙って×××」と美女に女性向け商品を宣伝させよう……とは、決して誰も思わないだろう。そもそも某マキコさんを引き合いに出すまでもなく、パワフルにしゃべりまくる姿こそ女性の本性。

「ウチにだって首相ならぬ家長をクソミソにけなす女傑がいるさ」と自慢(?)できる亭主は多いはずだ。

怒り始めたら果てしなく攻撃を続け、冷静になればなったで今度は逆らいようのない″正論〃を次々と吐く。この女の能力に、男はただ沈黙を守るだけ。

そんな世界レベルの経験則はあるのだが、本当に「女性はオシャベリ」なのか。じつは、やっばリオシャベリだという解説を脳科学をもとに展開するのは、そう難しいことではない。

人間の脳は左脳と右脳に分かれているという現象はよく知られている。このうち言語機能を担っているのは主として左脳で、その性質は男女間で差がないとされる。

だが、この場合の言語とは「話すべき内容を整理したうえで発語する」まともな発言のこと。言語には他にも、感極まって言葉に出したり、ブチギレて怒鳴ったりといった″情動反応″的な言葉もある。

で、こうした情動行動が得意なのが女性の脳で、コンピューター画像で調べた研究者の報告によると、嬉しい時も悲しい時も左右の大脳が広範に興奮し、その影響は左脳の言語中枢にまで及ぶ。男性ではこのように広範囲に脳が興奮する現象が見られないという。

つまり、女性に限って感情の起伏がモロに言語機能に影響を与え、誰かと会話するという目的を放ってでも発言するというメヵニズムを予測させることになる。

では、男が太刀打ちできない〃女の大正論″ のほうはどこからくるのかといえば、こちらは遺伝的な特性をもとにした環境や教育の成果なのだとされる。

実際の社会では、話すという作業には単純な言語能力だけでなく、読み書き能力という学習結果も含まれる。いわゆる理屈は生まれつきではなく、成長のなかで身につくものだ。

問題は読み書きを行うための機能で、男性の場合は左脳に限定されるのだが、女性の場合は左右両方の脳にこの機能を持つ人が半数を越えるという。

このため、幼児から読み書きができる年齢に達する頃から、女の子のほうが言語に関わる学習成果が上がり、オシャマな女の子となりやすい。

その子が長じることによって、日が達者な女性となるのは理の当然。左脳だけで、理屈はそうなのだが現実は……とグチュグチュ考える男に勝ち目はないというわけだ。

脳にこうした性差ができるのも、女の脳に比べて男の脳のほうで機能分離が進んでいるため。胎児期の男性ホルモンの働きによって、男の脳は融通が効きにくくなっているのだという。男は辛い、のである。

デキる男がモテるなら、デキる女がなんでモテない?

「デキる奴はよくモテる」といわれるように、男性における仕事の能力と女性からのモテ具合は、よく同レベルで論じられる。ひと昔前には「英雄、色を好む」との言い伝えがあったように、男の社会的な能力と異性吸引力とは、元来関連しているようだ。

同じオンナ好きでもダメ社員となれば、「オンナの尻を追いかけ回している暇があったら、少しは仕事に熱を入れろ―」と怒鳴られるだけ。

デキル男性はモテル。

あちらが立ってもこちら(仕事)が立たない限り、″仕事も恋も″とはいかない。これはこれで、単なる個人的趣味ではすまない、厳しい道というべきだろう。

それにしても、同じ「仕事と恋」でも対象が女性となると、「デキる女はよくモテる」というわけにはいかない。仕事か恋かで悩むというマンネリ話はあっても、仕事バリバリ男スイスイといった類の話は、まず聞いたことがない。

これを「男中心社会の動かぬ証拠」と決めつける人もいるだろう。が、じつのところ、そのルーツはわれわれのご先祖、サルの脳にみられる、という研究がある。

この研究は、一夫一妻型のサルと一夫多妻型のサルの二種類について、脳の大きさがどのように異なるかを調べている。その結果、 一夫一妻型のテナガザルに比べて、 一夫多妻型のチンパンジーの方が、三倍の大きさの脳を持っていることがわかった。

さらに一夫多妻型のチンパンジーのなかでは、多くのメスがいる大きな群れのオスザルほど、大きな脳を持ちているのだという。

その理由を研究者は、一夫多妻型のサル社会のほうが社会関係が複雑になるため、脳の働き具合が問われるケースが多いことによる、と解釈している。

メスをめぐるオス同士の競争だけみても、一夫一妻型サル社会に比べてずっと激しいから、彼らは頭を使わざるをえない。

使えば使うほど脳の機能が上がるのは周知の事実であり、これを保障するのは神経細胞の増加すなわち脳サイズの増加だということになる。オス一匹あたりのメスの数が増える割合と、オスの大脳のサイズが増える割合も、みごとに一致しているのだという。

まさに「デキる男ほどよくモテる」というわけである。

では、このような現象のなかでメスザルの脳はどんな機能を要求されてきたのだろうか。一夫一妻型のメスザルと一夫多妻型のメスザルでは、いったいどっちが苦闘しているのか。ヒトゴトとは思えずぜひ知りたいところだが、そのような研究はないようだ。

さらに、ここで問題としている「デキる女はモテるか?」の検証にいたっては、メスザルの例では複数のオスを占有できないのだから、残念ながら調べようがないということになる。

まとめ

ひょっとしたら、仕事も恋もなどといった骨の折れる野望そのものを持たないまま、ヒトに進化してしまったということかもしれない。

数あることを喜ぶか、質に賭けるか……両者の間のミゾは深い。

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